一般的に、身体の休息であるレム睡眠時に夢を見る、ということはよく言われます。
では、その他の睡眠、ノンレム睡眠時には夢は見ていないのでしょうか?
結論から言うと、答えはNOです。
ノンレム睡眠時にも、頻度や密度こそ少なく低いですが、確実に夢を見ています。
実証結果
それらを証明するための研究は多数行なわれています。
例えば、ウィスコンシン大学の論文において、空間判断や注意力に関連する「脳の後部皮質領域内」の変化で、被験者が夢を見ているかどうかをモニタリングできた事を発表。眠っている被験者を起こして確認の結果、実に92%の確率で実証に成功しています。
そしてその際、ノンレム睡眠時においても夢を見ていた事が実証されました。
ノンレム睡眠時の夢はどんな夢?
また、ボストン大学においては、眠っている被験者の睡眠ポリグラムをとりながら、ノンレム睡眠またはレム睡眠に入ったことを確認した後、被験者を起こし、その時に夢を見たかどうか、どのような夢を見たかの質問をする形式で調査を行なっています。
その結果、ノンレム睡眠時に起こされた被験者でも夢を見ている事が分かり、また以下のように、ノンレム睡眠・レム睡眠それぞれで、見る夢の傾向が異なる可能性が高い事が分かりました。
- レム睡眠の方が視覚的な要素が強い
- レム睡眠時の夢を語る時の方が単語の数が多い
- レム睡眠は概念に関連したものが多い
- レム睡眠のほうが攻撃的な夢が多い
- レム睡眠の方が奇妙な内容が多い
- ノンレム睡眠の方が実際のエピソードに関連したものが多い
つまりここから読み取れる事として、レム睡眠時においては、私達が慣れ親しんでいる珍妙で強烈で非日常的な夢が多い事と、情報量も多い事がわかります。
逆にノンレム睡眠においては、経験に基づいた日常的な夢が多いようです。
また、興味深い事に、レム睡眠においては攻撃的な夢が多く、ノンレム睡眠時にはその傾向が一切ないようです。(下図参考/各100回の夢に対するパーセンテージ)
まあ、上記のような攻撃的な夢にしろ、強烈な夢にしろ、情報量が多い夢にしろ、脳の休息であるノンレム睡眠中に、そういう感情を刺激するような夢を見てしまったら、休まるものも休まらないから、当然といえば当然の結果なのかもですね。
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