人は脳の休息であるノンレム睡眠と、身体の休息であるレム睡眠を交互に繰り返して心身ともに回復します。
そしてこの、ノンレム睡眠とレム睡眠の1回のサイクルがおおよそ90分かかると言われています。
かつ、下のグラフでも分かるように、身体の休息であるレム睡眠の方が眠りが浅いため、この部分で起床する事により、比較的すっきりと目覚めることができるのです。
では、この90分の倍数ならば、1時間半でも3時間でも6時間でも12時間でも、どこで目覚めても目覚めはいいのか、というそうでもありません。
最低でもとらなければいけない睡眠時間
実は上図のように、始めの2回の90分サイクルに、より急速に脳の疲れをとることができる「熟睡状態」が含まれていることが分かります。
なので、時間がない場合であっても、効率性を高める為に最低でもこの2サイクル=3時間は睡眠をとった方が良いと言えます。
ただし、これは最低限の睡眠時間です。
では、どれくらい寝るのが理想なのでしょうか?
それは、以下の事実をしっかりと頭に入れた後で導き出したいと思います。
90分は単なる目安
先程から90分1サイクルと何度も言ってきましたが、あくまで90分は目安です。
これは人によってまちまちだし、1回目と2回目でも異なります。
平均すると90分くらい、というだけのことなのです。
ですから、90分の倍数の睡眠時間が好ましいというのは嘘でもないし本当でもないのが現実です。
ただ、その倍数付近で目が覚めるようにするのは、眠りが浅い可能性が高い為、悪い方法でもないのは確かです。
だいたい何時間寝るのが最適なのか?
では、上記も踏まえて、人は何時間くらい寝るのが好ましいのでしょうか?
その結果を導き出すためによく引き合いに出されのが、以下、日米の研究結果です。
両者とも、睡眠時間ごとの死亡率の高さを男女別に統計をとったものになります。
カリフォルニア大学のクリプケ教授の論文
以下、男女別で死亡率が高い順に並べています。
▼男性
10時間以上 > 3時間台 > 9時間台 > 4時間台 > 8時間台 > 5時間台 > 6時間台 > 7時間台
▼女性
10時間以上 > 3時間台 > 9時間台 > 8時間台 > 4時間台 > 5時間台 > 6時間台 > 7時間台
(http://www.sleep-journal.com/article/S1389-9457(10)00302-3/abstract)
名古屋大大学院の共同研究グループの研究結果(文部科学省助成)
以下、男女別で死亡率が高い順に並べています。
▼男性
9.5時間以上 > 4.4時間以下 > 8.5~9.4時間 > 4.5~5.4時間 > 7.5~8.4時間台 > 5.5~6.4時間台 > 6.5~7.4時間台
▼女性
9.5時間以上 > 4.4時間以下 > 8.5~9.4時間 > 7.5~8.4時間台 > 4.5~5.4時間 > 5.5~6.4時間台 > 6.5~7.4時間台
(http://publichealth.med.hokudai.ac.jp/jacc/reports/tamaa1/index.html)
この結果から分かるように、だいたい6時間台・7時間台あたりの睡眠時間が男女ともに死亡率が一番低いのです。
結論
上記を踏まえると、ノンレム睡眠・レム睡眠のサイクルが5回まわった、7時間半あたりが理想的な睡眠時間かと思われます。
しかし、先にも言ったようにあくまで90分1サイクルは目安であって、寝付きが悪い人や睡眠が根本的に足りない人などはこの周期が大幅にずれたりする事も多々あります。
なので、より確実に、眠りの浅いレム睡眠時に起床する事を望むなら、そのタイミングを見計らって起こしてくれるUP3などの睡眠状態を測定してくれるガジェット装置を使ってみるのも良いかもしれませんね。
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