私が大学生の時の話です。
当時交際していた彼と別れたいとずっと考えていました。
彼の明るいところや優しいところが好きでしたが、反面優柔不断なところやはっきりない態度にイライラして疲れていたからです。
ですが、彼は私と別れることをなかなか認めてくれませんでした。
部屋に何度も押し掛けてきたり、電話を何度もかけてきたりとなかばストーカーのようになっていました。
そこで、男友達に頼んで、彼に私に近づかないように伝えてもらいました。
その甲斐あってか、彼がその後私にストーカー行為をすることはなくなりました。
彼からの執拗な接触がなくなって安心して夜も眠れるようになりました。
突然の金縛り
ですが、そのころから金縛りに悩まされるようになったのです。
金縛りは決まって夜の2時ごろに起こります。
目が急にぱっと覚めるのですが、体が全く動きません。
息はできるのですが、指先まで動かすことができずとても苦しいです。
目を開けることもできず、体が動くまでずっと我慢しておかなければいけません。
こんな日が続き、すっかり睡眠不足になってしまいました。
初めは、バイトなどで体が疲れていることが原因ではないかと考えました。
ですが、バイトがない日にも金縛りがあるので、これは幽霊的なものだと考えるようになりました。
この状況をどうにかしたくて、ある日いつもは怖くて閉じている目を開けてみることにしました。
目を開けるとそこには…
その日もいつも通り2時に金縛りで目が覚めました。
やはり指先まで動かすことができません。
そこで、思い切って両目に力をいれて目を開けました。
すると、私のすぐそばに男の子のこけしのようなものがたっているのです。
こけしは私のすぐそばで私を見下ろしていました。
私は恐怖で叫び出しそうですが声も出ません。
そうしていると、こけしがゆっくりと私に近づいてきます。
私は逃げないとと思い、一生懸命指先を動かそうとしましたが手を握るくらいしかできません。
すると、そのこけしが私の手を持って指を一本ずつ広げていくのです。
その感触がとてもリアルで気持ち悪くてしかたありません。
指を全部開かれると、なぜかこけしにも手があって手をつながれてしまいました。
その時、こけしの顔を何気なく見て私ははっとしました。
こけしの顔は、ついこの間まで私にストーカー行為をしていた元彼にそっくりだったからです。
私は恐怖でそのまま気を失ってしまいました。
次の日の朝、私は元彼が私にまだ未練があって納得できずに生霊として私のところに夜な夜な表れているのだと確信しました。
男友達を使って無理矢理合わないようにした責任は自分にもあると感じ、彼ときちんと会ってもう一度話し合いをしました。そして、自分の非を認め謝罪と感謝の気持ちを伝えました。
その日から金縛りは嘘のようになくなりました。
体験者:しょこらんさん(30代前半女性/体験時=20代前半)
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