あれはまだ僕が大学生の頃です。当時僕は実家を離れて一人暮らしをしていました。
その日は休みで朝9時頃にゆっくりと起きました。
睡眠時間を十分取ってて爽快な目覚めです。
頭もスッキリしています。
僕は朝食を取って部屋の掃除でもしようと思っていました。
ゆっくりと朝食をとっていると10時頃になりました。
さて掃除でも始めようかと思ったときに突然ものすごい睡魔が襲って来ました。
不思議な感じです。
こんな時間に突然眠くなることなどあるはずないのに、まるで麻酔でもかけられたような睡魔でした。
僕はどうしようもなくなってそのままベットに倒れこみました。
そして深い眠りについてしまったのです。
なんか不思議な感覚でした。
寝ていて体は起き上がることができません。
だけど夢の中で意識はハッキリしているのです。
ハッキリした意識の中でとても心地よい意識に包まれていることがわかりました。
その時、突然まぶたの裏側に明るい光が現れました。
そしてその瞬間目が覚めました。
ただそれと同時に僕は金縛りにかかってしまったのです。
意識はハッキリしていて、でも体は指一本動かすことができなくて、まぶたの裏側に明るい光が写っているというとても不思議な状態です。
するとその光の中から僕の名前を呼ぶ声が聞こえて来ました。
そして光の中にうっすらと影が見えます。
その声の主は僕の姉のものだとすぐに気付きました。
姉は僕より5歳年上で結婚して女の子もいます。
僕にとっては姪っ子です。
声は僕の名前を呼んだ後続けて姪っ子の名前を呼んで「よろしくお願いね」と続けるのでした。
そしてその声は途切れて光も消えて金縛りは解けたのです。
僕は金縛りの解けたあと、さっきまでのあの眠気がまるで嘘のようにすっきりとした面持ちになりました。
おそらく時間にしてみたら1分ぐらい、長くても3分ぐらいのものだったと思います。
僕は不思議だったなと思いつつ、姉の声だったような気がしたけどなんだったんだろうな?とちょっと不思議な面持ちでいました。
そしてそれから5分ほどたった時に、僕の携帯に実家の母親から電話がかかって来たのです。
内容は今朝姉が交通事故に巻き込まれて病院に運ばれて、そのまま治療の甲斐なく旅立ってしまったというものでした。
僕は急いで帰省の準備を済ませて実家に帰りました。
実家に帰ると父母、義兄、姪っ子と姉の遺体が僕を待っていました。
あれはきっと、姉が旅立つ前に僕に姪っ子の行く末を頼みたくてやって来たのだと思います。
体験者:カズキさん(38歳男性/体験時=20代前半)
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