私はその日、家族と九州に3泊4日の旅行に行っていました。
九州って本当に良い所ですよね。
景色は綺麗ですし、食べ物も美味しいですから。
その日は九州の東にある、とある観光地に私たち家族は宿泊しました。
もともと、私には少し霊感があるんです。
今回、九州での旅行で立ち寄った所は、その昔戦争で多くの人が犠牲になった地でもあります。
ですから、私はその土地に宿泊することは少し抵抗があったのですが、何しろ、海の幸が美味しい土地でもあり、家内は是非泊まりたいと言います。
まあ、どうしてもと家内がそこまで言うのならと渋々承諾しました。
旅館の部屋に入ってすぐに訪れた異変
けれど、宿泊するホテルに着いてすぐに異変は起こりました。
部屋に入るなり、私はとてつもない寒さを感じたのです。
大抵、こういう寒さを感じる時は何かがいる証拠です。
そしてその異変を感じたのは私だけではありません。
私の子供は当時2歳で、まだまだ小さな子供だったのですが、その子も部屋に入るなり、いきなりベッドの下に向かって何かを喋り出しました。
どうやら息子も無意識のうちにこの部屋に何かがいるという事を感じたようです。
私はすかさずデジタルカメラを出し、部屋の中のいろんな方向を撮影しました。
たくさんの写真を撮った後、私はカメラの画像をチェックして驚愕したのです。
なんとカメラの画像には天井に一人の女性が写っています。
白い服を着ていて天井に這っているような感じです。
顔はこちらを向けていますが、垂れ下がった髪の毛のせいでその表情は見ることが出来ません。
しかも驚いたのは、彼女が写真に写っていたのは一枚の写真だけではないのです。
複数の画像にその女性は写っていました。
画像ごと、その女性は天井をぐるぐると動きまわるような形で写っています。
もちろん、部屋の中には私と家内、そして2歳の息子しかいませんし、普通の人間でしたら天井に張り付くような形でそこにずっといられるはずがありません。
私と家内はとても驚きました。
そんな写真が写ってしまったのです。
とてもその部屋で一晩を明かすことなんて出来ませんよね。
私はホテルの人に部屋を変えてもらうようにお願いをしました。
けれども、あいにくその日はどの部屋も満室。
私たちの要望は聞き入れてもらえませんでした。
しかも他のホテルもどこも満室で、今日はこのホテルの、そしてこの部屋に泊まる以外なさそうです。
恐怖の一夜
やっぱり、その夜はただでは済みませんでした。
私はベッドに入るとあっという間に眠りに落ちたのですが、ふと気がつくと体が動きません。
そうです。金縛りに合っていたのです。
その金縛りはどんなに抵抗しても体は自由にはなりませんでした。
そして天井には、先ほど写真に写っていたあの女性が、やはり体の正面を下に向け、天井に張り付いていました。
そして天井をぐるぐると回りながら何かをブツブツと言っています。
写真に写っていた時と同じように髪の毛が下に垂れ下がっているので、その顔はハッキリと見えませんでした。
この間も私は金縛りにあっていたので、逃げ出したくても到底、逃げ出せない事は分かっていました。
するとその女性は天井からするするっと降りてきて、髪の毛が私の顔にバサッとかかりました。
今まで髪の毛でその顔は見えませんでしたが、その瞬間、彼女と私は目をはっきりと合わせました。
すると彼女が私に小さい声で言ったのです。「お前、出て行け・・・」と。
その瞬間、私は恐怖におののきましたが、ふと体が自由になり、思わず私は手を振って「お前こそ出て行け!」と言って女性を跳ね除けようとしました。
けれども、もうその時にはさっきまで私の上にいたはずの女性は姿を消していました。
あわてて電気をつけ、私は家内を起こして今ここで起こったことを告げました。
すると家内は大きな悲鳴をあげたのです。
なんと、床には長い髪の毛が何本も何本も落ちているではありませんか。
もちろんその長い髪は家内のものでもありません。明らかにあの女性のものです。
あの金縛りは決して私の体調の悪さとかそういったものではありませんでしたね。
間違いなく、あの女性によるものでした。
それにしてもあの女性、果たしてなんだったのでしょうか・・・。
体験者:ノアさん(40代後半男性/体験時=40代前半)
コメント